golden-luckyの日記

ツイッターより長くなるやつ

SNSの居心地をよくする

2023年、Twitterは名目上消失しました。 ずっとMastodonFacebookに馴染めなくて困っていたのですが、Blueskyのアカウントを作れたことでなんとか救われました。

いまのところBlueskyは自分にとって「居心地がいいSNS」になっています。 Blueskyの居心地をよくするうえで自分にとって役立った機能として「フィード」と呼ばれるものがあるので、これについてpyspa Advent Calendar 2023 - Adventarの一記事として書かせてもらおうと思います。

フォローするアカウントを増やすの難しい

SNSで自分がふだん目にするコンテンツの大半は「他のアカウントをフォローする」ことによって形作られます。 逆に言うと、アカウントのフォローを増やさないとコンテンツも増えにくい。 特にSNSのアカウントを取得してしばらくの間は、フォローしてる人が少ないのでアクセスしてもいまいち面白くない状態が続きます。

投稿だけが主目的ならフォローを増やさなくていい気もするけど、変わり映えしないタイムラインはアクセスの機会そのものを減らすので、投稿の頻度も減りがちです。 やはりアクセスするたびに何か新鮮な刺激があるほうがいい。

かといって、SNSで他のアカウントをフォローするのは勇気がいる行為です。 自分の場合、2ホップくらいで共通の知り合いがいそうであったりしないと、なかなかフォローボタンを押す勇気を絞り出せません。

そもそも、ぐっとくるアカウントを見つけ出すこと自体が難しい。 最近の巨大プラットフォームが、フォローしていないアカウントによる投稿をタイムラインに混ぜたがるのも、新規ユーザーがこの状態になってアクセスしなくなってしまうのを避けたいがためでしょう。

プラットフォームが押し付けてくる投稿は微妙だけど…

プラットフォームが押し付けてくる投稿は、確かにコンテンツを単純に増やしてはくれます。 しかし、興味のない有名人とか、なんか怒ってる人とか、嘘や刺激で耳目を集めたい人とか、そういうアカウントの投稿は残念なコンテンツでしかないので、かえって居心地を悪くします。

幸い、Blueskyのタイムラインには、プラットフォームが押し付けてくる投稿は混じりません(いまのところ)。 おかげで古き良きSNSの雰囲気を保てています。

ただしそれだけだと、「フォロー数が少ないとタイムラインが活発にならない」という困難は残ります。 結局のところ、自分がTwitterを離れられないのは、長年にわたって慎重にフォローを増やしてきた歴史があり、それによって自分にとって居心地のいいタイムラインを作れたからなんですよね。 その状態でプラットフォームから興味のない投稿を押し付けられてるから、自分にとってTwitterは微妙な感じになってしまっているわけです。

でも、これからTwitterのようなものを始める人、つまりBlueskyを始めたばかりの自分のような人には、なんらかの形で最初から賑わいがあるタイムラインがあるほうがいいかもしれません。 ありがた迷惑な機能は、迷惑な側面を極限まで減らせるなら、ほとんど限りなく単純にありがたい機能でもあるはずなのです。

タイムラインをアカウント単位で作るものといつから錯覚していた?

実はBlueskyのタイムラインにはTwitterとは根本的に違う部分があります。 それは、タイムラインを作る手段が「他のアカウントのフォロー」だけではない、という点です。

現在のBlueskyのタイムラインは「フィード」と呼ばれる仕組みで実現されています。 技術的な仕組みはまじめに調べてないのですが、フィードは要するに「条件で決まる一連の投稿」のようなものです。 Blueskyのデフォルトのタイムライン(「Following」)も、条件として「自分がフォローしているアカウントの投稿」を指定したものだと言えます。

フィードがすごいのは、Twitterのような「興味あるアカウントからなるタイムライン」だけでなく、「興味あるトピックからなるタイムライン」も作れるところです。 たとえば、条件として「正規表現 #/読んだ本/ にマッチする投稿」なんかを設定したフィードが作れます。 これにより「"読んだ本"という文字列を含む投稿からなるタイムライン」が作れるわけです。 Twitterのリストに似ていますが、アカウント単位ではなくトピック単位でも作成できるので、はるかに便利。

しかも、こうして作った独自のフィードは他のユーザーも自由に閲覧できるように公開できます。 公開されているフィードは、デフォルトのタイムラインである「Following」と並列にホーム画面にピン止めできるので、タブのように切り替えて自分のタイムラインとして使えます。 さまざまな人が開発した無数のフィードが公開されているので、気に入ったものを自分のホームにピン止めするだけで、自分が好きな話題をだらだら眺めるためのタイムラインができるのです!

「本とかを読む」フィードを作った

自分も、自分にとって居心地がいいフィードを作って公開しています。 「こんな本を読んだよ」、「こんな本が読みたいよ」、「こんな本を買ったよ」、「こんなシチュエーションで本を読んでるよ」みたいな日本語の投稿が集まってくる、「本とかを読む」フィードです。

bsky.app

(2023年12月時点ではBlueskyのアカウントがないとリンク先がなんも見えないかもしれなくて申し訳ない。)

自分にとっていい感じの投稿が活発に流れてくるタイムラインができたことで、自分にとってのBlueskyの居心地は爆上げしました。 いまではデフォルトのタイムラインはときどきしか見ていなくて、もっぱらこのフィードを見ています。

個人的に「本とかを読む」フィードで特に気に入っているのは、眺めているだけでしばしば本屋さんにいるような気分になれることです。 実際、今年はこのフィードで知った本を何冊か買ったり読んだりしました。

自分では読まないようなジャンルの本が楽しく読まれている雰囲気をうかがい知れるのもこのフィードで気に入っているところです。 そのために特定のジャンルを積極的にはじくようなフィルタは極力入れないようにしています。

ただ、本について語っている投稿をなるべく幅広く取り込もうとすると、(主に自分にとって)居心地が悪い状態になるので、悩ましいこともあります。 たとえば先週、とある翻訳書の発行が中止されるという事件があり、本を読むこと自体よりも「本が出版されることの意義」みたいな方向で何かを語りたい投稿がわっと増えてしまって居心地が悪くなりました。 忙しくてBluesky自体をあまり見ていなかったので対応が遅れましたが、ふだんは気がついたら調整しているので、いまは立ち直っているはずです。

あと、情報収集とか社会批判とかが目的ではないので、制作側による宣伝めいた投稿や出版三者をめぐる業界ネタがあまり多く流れないようにすることにも気を使っています。 とはいえ、新刊情報をはじめ書籍自体の紹介はやはり多めに流れているほうがうれしいので、このへんもバランスをとるのに苦労しているところです。

Twitterの居心地がフォローの妙味で決まっていたので、BlueskyをはじめとするTwitterクローンの居心地もフォローで決まると思っていたのですが、少なくともBlueskyにはフィードという機能があり、今のところ自分にはそれがはまっている感じです。 これからBlueskyも人がますます増えていくので、いつまで「本とかを読む」フィードの居心地を維持できるかわかりませんが、みなさんもいい感じのフィードを作って公開していきましょう!