自分で買った本を読んでいて謎の日本語や組版の不備や構成の甘さに耐えがたくなったり、発売前に長大な正誤表が出るといった話を聞いてしまったりすると、自分の仕事でどこまで手を抜いても売上や信用を落とさずに乗り切れるか、という思考実験がついつい脳の片隅によぎってしまう。
段落のチューニングとかは不要な作業に違いない。非文が残ってたり、やけに受動態が多かったり、同じことを何回も書いてあったり、実際にそういう本はままあるし、そういうところから手をぬけそう。未定義な用語を雰囲気で使っていても評価されてる本はあるし、文脈で察しがついて読めればいいはず。ようは内容なので、著者に価値ある情報を文章化してもらって製作プロダクションに組版してもらえば本になって売れる。誤字とか日本語の不統一とかは内容に明るくなくても目立つ点なので、まあ直したほうがよいのかな。それにしたって、がんばったところで売れゆきには大きく関係しなさそう。となると、著者を見つけてタイトルを決めて原稿を集めれば、事実上は仕事が終わったことになる。
この思考実験、実施してみる機会がない。