golden-luckyの日記

ツイッターより長くなるやつ

理工書のタイトルに「入門」が多いのは出版社の編集者が売れるからという理由で入門でないものにも入門とつけたがるからだ、という頻出の話題をまた見かけたので、当事者を対象としてツイッターでアンケートしてみた。

125票って、最後の選択肢の37%を割り引いても当事者以外の思惑がかなり紛れているような気がするけど、それでも「売れるようにするため」という選択肢がこんなに多いとは思わなかったよ。。

ぼく自身はわりとタイトルに「入門」ってつけるのを躊躇しないほうだけど、素朴に「実践的な話とか応用例には踏み込んでない、あくまでも入門です」を示す記号として捉えている場合がほとんどだった。そのような場合に、書名であることが認識しやすいパターンとして、「~入門」や「入門~」を採用することが多かった。それだけで「売れる」と考えたことはまったくなく、むしろ正直なところ『型システム入門』に対する「編集者による入門詐欺」という風説をみてはじめて、そういうふうに見えるものなのかーと思ったくらい。入門というタイトルなので簡単なはずという誤認の可能性に思い至らなかったともいえるので、日本語を扱う仕事についている身としては残念です。

にしても、このアンケートの結果で真に驚いてるのは、いわゆる入門詐欺を本気でやっている編集者もゼロではなさそう、という点なんだよな。世の中そんなに甘くないだろうって思うんですが、入門ってタイトルにつけるだけで売れる(少なくともその可能性が高まる)ほど単純な商売なんでしょうか?

こうなると、もう、実践とか応用に踏み込まない本に「入門」というタイトルをつけるのが憚られてしまう。どうすればいいのだろう。基礎でも同じに思えるし、現代日本語における入門という語の幅広いニュアンスから簡単とか誰でもわかる的な要素を取り除いた新しい用語の発明、もしくは入門という語の再定義が求められる。